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胃痛の原因『ピロリ菌』が引き起こす『息が臭くなる』メカニズム

ピロリ菌と胃痛

ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)はヒトの胃に生息して胃壁を傷つける細菌です。

ピロリ菌が人体に与える主な影響は次の3点です。

  • (1) 慢性胃炎や胃潰瘍・十二指腸潰瘍を誘発します。
  • (2) 胃癌・十二指腸癌のリスクを飛躍的に増大させます。
  • (3) 胃MALTリンパ腫・特発性血小板減少性紫斑病の原因になります。

他にも『ストレスで胃が痛くなりやすい』・『大腸癌を併発しやすい』・『胃ポリープの原因』などの新しい発見が次々に出てきています。

「この21世紀になって胃痛の原因菌に関する発見が起き続けているのは何故か」というと、それはピロリ菌が生息している場所がに強酸性の胃の中だからです。
「こんな環境で細菌が生息できるわけがない」と、どの学者も思われていたためです。
発見は実に1983年でした。

世界中でピロリ菌の保菌者が発見されています。
発展途上国では感染率が高く先進国では低い傾向があります。
というのも、この菌は食べ物や飲み物を通しての感染(経口感染)が主だからです。
上下水道の普及率が低かったり、衛生状態が悪い所ではピロリ菌が増殖しやすく、感染者も増大します。

日本でも1992年の時点で20歳代の感染率は25%と低率なのに40歳以上では70%を越えており、発展途上並みです。
日本の双曲的な年代別分布は、戦後急速に進んだ生活環境の改善が要因であろうと考えられています。

筆者の若い頃の経験でも「1964年前後を境にして上水道が普及した」という話を後志・胆振・渡島・石狩で聞いたものでした。

ピロリ菌は他の細菌と違い、胃の中に生息できます。
その理由は何でしょうか。

胃の中はpH1~2の強酸性で普通の細菌は生息できません。
ピロリ菌も胃液にまともに触れば死滅します。
ただし、ピロリ菌は胃液に直接触れないように、自分にとって住みやすい環境を作り出しています。
ピロリ菌は胃壁の粘膜に潜りこんで胃液(主成分は塩酸)の脅威を避けています。
さらにウレアーゼという酵素を出して胃粘液の主成分である尿素を分解して強アルカリ性のアンモニア(pH11)と弱酸性の二酸化炭素を生み出します。
そしてアンモニアで自分のまわりを覆って胃液と中和させます。
その結果ピロリ菌は胃の中で生息できるのです。

胃の中に安住の地を『エタピロリ菌』は次のような活動を行い人体に悪影響を与えます。

  • 発生したアンモニアの働き
    アンモニアそのものが強アルカリなので胃壁にダメージを与える。
    アンモニアが胃の中の次亜塩素酸ナトリウムと反応してモノクロロアミンと水酸化ナトリウムというさらに身体に悪い物質に変化する。
    アンモニアが他のピロリ菌を呼び寄せる性質(正の走性因子)を持っている。
  • 集合したピロリ菌を撃退するために集合してきた白血球によって組織細胞がダメージを受ける。
  • ピロリ菌が生産する様々なタンパク質毒素(vacA)の働きによって粘膜層が破壊され、粘膜層に保護されていた胃壁の細胞が傷害されて炎症が起きる。

これらの炎症が同時多発的に起こると胃炎と言うことになります。
それが悪化すると慢性胃炎や胃潰瘍、十二指腸潰瘍に進んでいきます。
胃潰瘍の70%、十二指腸潰瘍の80%がピロリ菌由来と考えられています。

この炎症性疾患が慢性化すると胃癌やMALTリンパ腫が発生するリスクが増大します。

なぜなら、ピロリ菌の働きによって破壊された胃壁の細胞・組織の修復が頻繁に繰り返されることによって、細胞分裂の制御不全が起こり、細胞の癌化につながって行きます。

ピロリ菌の感染の有無の診断は以下の3つです。

  • 病原体そのものの存在を検出する。
  • ピロリ菌の感染によって患者の血液中に算出された抗体の量を測定する。
  • ピロリ菌が有するウレアーぜの酵素活性を測定するもの。

検査の結果、ピロリ菌に感染している場合は、薬を服用して行う除菌療法を受けます。

ピロリ菌除菌療法の対象となる条件は以下の通りです。

  • 胃潰瘍・十二指腸潰瘍の患者
  • 胃MALTリンパ腫の患者
  • 突発性血小板減少性紫斑病の患者
  • 早期癌に対する内視鏡的治療後の患者
  • 内視鏡検査でヘリコバクター
ピロリ感染胃炎と診断された患者

ピロリ菌の除菌は胃酸を抑える薬と2種類の抗生物質を朝と晩に一週間服用するだけです。
副作用としては軽い下痢が起こることもありますが、治療が終わればすぐにおさまります。
治療が終わってから4週間後に除菌できたかどうか検査します。
これで8割くらいの方は除菌可能されています。
1回目で除菌できなかった場合は薬を変えてもう一度除菌を試みます。
これでほとんどの人が除菌できると考えられています。

検査費用は胃潰瘍などの治療の一環であれば保険が適用されます。
また『内視鏡検査において慢性胃炎の確定診断がなされた患者』などがある場合も保険が効きます。

長年慢性の胃炎や胃潰瘍に悩まされている方は『生来胃弱で』とか『胃下垂だから』などと自己診断ですませず、信頼性の高い内科でピロリ菌検査を受けるだけでも考えてみるべきです。
うまく行けば、保険付きの治療で長年悩まれていた宿痾が完治できるのですから。

ピロリ菌は息が臭くなる原因になる?

ピロリ菌は日本人の半数以上が胃に保菌している細菌です。
感染経路は主に食べ物や飲み物などの経口感染です。
胃の内部は塩酸を主成分とする胃液が分泌されていて強酸性(pH1~2)なので、どんな細菌も生息不能と1983年まで考えられていました。
では何故ピロリ菌だけが胃の中で生息できるのでしょうか。

ピロリ菌は胃の中に進入すると、胃壁をコーティングする胃粘膜に含まれる尿素を、ウレアーゼという酵素でアンモニアと二酸化炭素に分解します。
アンモニアは強アルカリ性なので胃液の酸性と中和反応を起こし、結果ピロリ菌の周辺は中性になります。
そのため、ピロリ菌は胃の中でさかんに増殖を繰り返すことができるのです。

その結果、ピロリ菌は人体に次のような悪影響を及ぼします。

  • ピロリ菌が作り出すアンモニアが胃を傷つける
  • アンモニアはさらに胃の中の物質と化学反応を起こしてモノクロロアミンになる。
  • ピロリ菌を攻撃する為の白血球により胃に炎症が起こる
  • ピロリ菌が作り出すvacAという蛋白が胃に穴を開けてしまう
そのピロリ菌の活動の結果起こる病気
慢性胃炎
十二指腸潰瘍
胃潰瘍
胃癌

上記などがあります。

胃もたれ・嘔吐・食欲不振・胃痛等の症状が頻繁に起こる方はピロリ菌感染を疑ってしかるべきです。
単なる不調や加齢のせいにせず信頼性の高い病院に検査を依頼すべきです。

ピロリ菌は胃の中に生息し、胃を攻撃する細菌です。
その結果、胃の不調が起こり、胃痛や嘔吐感・胃痛・消化不良を起こします。

中でも消化不良は、食べた物が胃の中に滞留して、本来は小腸内で起こるべき発酵が胃の中で起こってしまい悪臭を伴うガスが発生します。
胃の中に充満した悪臭ガスは胃壁から血液中に取り込まれます。
血液は必ず心臓の右心室から肺に送り込まれます。
肺の肺胞の中で血液に運ばれてきた悪臭ガスが二酸化炭素とともに酸素と交換されます。
結果、呼気として悪臭ガスが口から吐き出されると言うことになります。
これがピロリ菌が引き起こす口臭のメカニズムです。

ピロリ菌由来の口臭が出ると言うことは、すでにピロリ菌による胃や十二指腸などの内臓諸器官の不調が重篤化していると言うことです。
余計な考えは捨てて可及的に速やかに信頼のおける内科に直行して、ピロリ菌の有無の検査と受けるべきです。

検査は胃潰瘍の検診の一環として行う場合は保険が効きます。

治療は除菌療法です。
3種類の薬(2種類の抗菌薬と1種類の制胃酸剤)を7日間内服し続けます。

この治療によって約75%のピロリ菌感染者が除菌に成功しています。
たとえ1回目の除菌療法が失敗しても、一定期間のインターバルを置いてもう一度渡来することができます。
1回目と2回目を合わせると除菌の成功率は95%を超えます。

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